1巻と3巻 定価合計44805円
元大正大学学長 大久保良
『僧伝史料』の刊行を称える
故佐藤亮雄教授は、川越喜多院貫首であった塩入亮忠大僧正得度の弟子であったから、寺にははいらなかったけれ ども、天台宗に籍があった。大正大学では、私の方が一年早く入学した関係もあって、いつも後輩のような態度で接 してくれてはいたが、以後五十年にも及んで親交を結んだ間柄であった。塩入亮忠博士が昭和二十六年大正大学の学 長になられたので、恐らくその秘書的な役割を担ってであろうか、学生主事などから、後には庶務課長も兼任してい た。そのため登校するたびに会っていたが、話の様子から、その頃既にこの仕事が手掛けられていたようであった。 健康などいろいろな面で必ずしも恵まれた境遇でなかった晩年も、研究心は旺盛で少しもその衰えはなかった。最近 「僧伝史料」のノートを魚尾講師から見せられて、実に一驚を喫した。 あの目の悪かった彼が、この大冊を丹念に、 六号活字ほどの文字で整理しているのである。
彼の研究は実に綿密なことで定評があったが、余り軽々しくは発表しなかった。『百座法談聞書抄』の校注やその 解題をみれば、概ね理解されようかと思う。そうした彼の丹念な記録が、 没後よい門下の手で公刊されることは、誠 によろこばしい限りである。
これら日記類の記事が極めて重要な活きた資料であることを承知しながら、探索が煩瑣であるために、つい敬遠し てきた僧伝の部分が、鄭重に展示され、容易に調査できることは、多くの学人にとって同慶の至りであるが、特に天 台宗学に携わる小生等にとっては、この上ない恩恵に浴することになるであろう。
遺業を称えて故教授の冥福を祈ることとした次第である。
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